映像制作会社へ転職する方法を徹底解説!

映像制作業界が抱える働き方改革と長時間労働の課題を徹底解説!各社の取り組み事例を紹介

CM PROの記事内にはプロモーションや広告が含まれている場合があります。問題のある表現にお気づきの際はお問い合わせよりご一報いただけますと幸いです。【景品表示法に基づく表記】

就職活動を進めるときには、志望する業界が直面する課題や問題点を理解した上で、自分なりの解決策を考えたり、自分のキャリアプランに活かしたりすることが重要です。特に広告業界ではテレビ、新聞、ラジオ、雑誌などの伝統的なマスメディア広告から、デジタルなネット広告が中心となる新時代への転換期に立たされています。それに加えて、働き方改革や中抜き問題にも直面し、厳しい試練に立たされています。

広告業界全体が課題に直面している現状で、AOI Pro、東北新社、TYOなどの映像制作会社もさまざまな課題に立ち向かっています。この記事では、映像制作業界が直面する課題に焦点を当て、将来の展望についても探求していきます。これからご紹介する課題と自分なりに考えて業界研究をさらに深めていきましょう!

映像制作会社が抱える課題とは?

まずは、映像制作業界が抱える課題や問題について解説していきます。会社説明会ではあまり触れられないかもしれませんが、入社後に必ず直面する現実です。そのため、今から業界の課題を理解し将来どのように解決をしていくのか考えることが重要です。

徹夜はあたりまえ?長時間労働問題

広告業界全体で長時間労働が問題となっています。働き方改革の動きは行われていますが、現場にまで浸透していないのが現状です。残業時間が多く、忙しい期間には徹夜や会社での泊まり込みが当たり前といえる状況です。中には法令遵守のために勤怠の修正を求められるケースもあるそうです。

この状況に向き合うためには、課題を理解し向き合う覚悟が重要です。そして、広告制作業界全体を変革し、より良い働き方を実現するためにどのようなステップを踏むべきか考える必要があります。さらに、広告制作会社にまつわるブラック企業の疑惑についても調査を行った記事をチェックしてみてくださいね。

映像制作会社はブラック企業なのか解説!CM業界やMV制作はやばい激務できついのか不安を徹底調査!

代理店依存ビジネスからの脱却!

現状の大手広告制作会社は広告代理店に依存することで成り立つビジネスモデルになっています。広告制作会社の収益の大部分は、電通や博報堂などの大手広告代理店からの仕事によるもので、その受注については決算発表で電通・博報堂からの受注について個別で説明されるほど売上の大部分を占めています。

しかし、広告制作会社が大きな売上を上げているテレビCM市場は年々2%ずつ縮小しており、今後の成長に向けて新しいビジネスモデルの開発が不可欠です。Webコンテンツ向けの映像制作は年20%の成長率を示していますが、低予算のプロジェクトが多く、大手制作会社の高予算で多数の協力会社を巻き込む従来の手法ではうまく対処できていません。

今後は、CMに限らず低予算プロジェクトにも注力し、Web、エンターテイメント、ブランディングコンテンツ、クライアントとの直接取引など、新しいビジネスモデルを探求することが業界の未来を切り拓くために重要です。(参考:AOI TYO Holdings株式会社 中期経営計画)

一億総カメラマン時代に映像制作会社へ就職する意味

現代は「一億総カメラマン時代」と言われ、誰もが手軽に映像を撮影・編集できる時代です。映像クリエイターの数は増え続けており、低予算で企画から演出、撮影、編集まで一貫して手掛ける小さな制作会社やフリーランスクリエイターも増えています。このような状況の中で、なぜ会社に就職して制作に関わりたいのか、どのようなキャリアを築いていくべきか、その意義を考えることが非常に重要です。

また、大掛かりな機材を使わなくてもiPhoneがあれば十分キレイな映像が撮影できる時代です。最新機種が登場するたびにカメラ性能は進化し続けています。このような時代に映像のプロが存在する意義・目指す理由を考えてみましょう。

映像制作技術のノウハウが残りづらい構造

大手企業を中心に多くの広告制作会社では社内には制作機能を持っていません。広告代理店からプロデューサーが案件の制作を受注し、制作会社は制作に必要なスタッフを協力会社から集めて中心で進行する役割を担います。例えばライティング、カメラワーク、音声、編集、CGなどは、社外の協力会社に発注されることが一般的です。この結果、特に低予算の制作、特にWebコンテンツ制作において、現状の協力会社との協業が難しく対応が難しい状況が生まれています。

現状の大手制作会社はプロデューサー・営業としてのノウハウは残っても実際の技術に関するノウハウは残りづらい構造をしています。

ポストプロダクションを徹底解説!ポスプロの仕事内容・大手ポスプロをまとめ一覧で紹介!

映像制作会社の取り組みを紹介

次は業界全体の課題に対して、映像制作会社各社がどのような取り組みをしているのか紹介していきます。今回ご紹介する企業は一例ですが、多くの企業が働き方改革など取り組みを加速させています。

電通クリエーティブX

電通グループの広告映像制作会社の株式会社電通クリエーティブXでは夜22時以降の残業を原則禁止としています。ただし、深夜に撮影が行われる場合など、特殊なケースでは22時以降に残業が発生することもあります。また、通常の所定勤務時間が7時間と設定されており、一般的に8時間の所定労働時間を採用する企業に比べて、メリハリのある仕事の進め方が求められています。

さらに、電通クリエーティブXでは、在宅勤務とオフィス出社を選択できるハイブリッドワーク、在宅勤務手当、フレックスタイム制度、有給休暇取得奨励日など、様々な制度が導入されており、より働きやすい環境が整備され続けています。

【2024年】電通クリエーティブXを徹底企業研究!評判・就活・事業・事例・電通との違いを解説!

東北新社

大手映像制作会社の東北新社では2015年から働き方改革に取り組み、2018年にはワークスタイルデザイン室を設立することで新しい最適な働き方の模索を続けています。

フレックス勤務制度やスペシャルホリデー制度を導入し、社員が業務に合わせて時間に縛られることなく、柔軟に働けるようになっています。さらに、キャリアデザインセミナーやワークショップを開催することで、年齢や性別に関係なく、自己実現と個々のキャリアパスの追求を支援し、自分らしい働き方を実現できる会社を目指しています。

【2024年】東北新社はどんな会社?強み・事業・制作事例・福利厚生・激務疑惑を徹底解説!

太陽企画

大手映像制作会社の太陽企画では、制作部門の業務量と労働時間の改善を目指し、映像制作現場の業務を支援する専門チーム「TYPE」を立ち上げました。プロダクションマネージャーは、膨大な業務を担当しており、その負担を軽減するために、TYPEは様々な役割を果たしています。例えば、機材や備品の手配、ロケバスの調整、撮影現場での感染症対策、フードコーディネートなどを行っています。太陽企画のTYPEでは、今後も業務効率化のための仕組みや環境を整備することでプロダクションマネージャーのサポートを行っています。

【2024年】太陽企画を徹底企業研究!インターン・評判・強み・企業理念・社風を解説!

ノースショア

2008年に設立された映像制作会社のノースショアでは、5年間にわたって働き方改革に取り組みました。まず売上や利益を管理する営業基幹システムの導入により業務効率化を達成、さらに、勤怠システムの導入によって正確な残業時間の把握や適正な報酬の支給を実現しています。ノースショアは「クリエイターの楽園をつくる」という企業理念に基づいて、業界全体の課題に果敢に挑戦しています。