就職活動を進める上で志望する業界が現状で抱えている課題を理解して、自分なりの打開策を見出したり、キャリアを考える際の参考にすることが重要です。電通、博報堂などを中心とする広告業界全体で言えばテレビ・新聞・ラジオ・雑誌などの4マス広告からデジタル、ネット広告中心の時代へ転換期を迎えています。他にも働き方改革や中抜きとしてバッシングを受けたことも大きな課題です。
そのなかでAOI Pro、東北新社、TYOなどの広告制作会社にも現状で抱えている多くの課題があります。これからご紹介する課題と自分なりに考えて業界研究をさらに深めていきましょう!
現状の広告制作会社は広告代理店に依存することで成り立つビジネスモデルになっています。広告制作会社の決算発表では電通・博報堂からの受注については個別で説明されるほど売上の大部分を占めています。しかし、広告制作会社の大きな売上のテレビCM市場は年2%のペースで縮小しています。今後も成長を続けるためには年20%ペースで成長しているWebコンテンツ用の映像の制作や、クライアント直接取引など新しいビジネスモデルを開拓していくことが必要不可欠です。
Webコンテンツ用の映像は年20%ペースで成長をしていますが、低予算なことが多く、多額の制作予算で多くの協力会社をまとめることで制作を行ってきた大手広告制作会社では対応できずにいるのが現状です。
これからはCMに限らず低予算の案件にも注力し、Web・エンターテイメント分野・ブランディングコンテンツ・クライアント直接取引など新たなビジネスモデルの開拓が重要になっています。
(参考:AOI TYO Holdings株式会社 中期経営計画)
現代は誰でも映像を撮影・編集できる「一億総カメラマン時代」です。映像クリエイターの人口は増え続けています。業界にプレイヤーが増え低予算で企画・演出・撮影・編集までを一気通貫で行う少人数で小回りの効く制作会社やフリーランスクリエイターも増えている中で、なぜ会社に就職して制作に関わりたいのか、どのようなキャリアを歩んでいきたいのかを考えることが重要でしょう。
また、大掛かりな機材を使わなくてもiPhoneがあれば十分キレイな映像が撮影できる時代です。最新機種が登場するたびにカメラ性能は進化し続けています。このような時代に映像のプロが存在する意義・目指す理由を考えてみましょう。
広告制作会社は長時間労働が問題となっています。働き方改革も行われてはいますが、現場レベルには浸透していないのが現状です。残業時間は多く、繁忙期には徹夜、会社で寝泊まりは当然の状態です。会社によっては法令遵守のため勤怠修正を求められることもあると聞きます。
この現状に向き合う覚悟と根拠、そしてどのように業界を変化させていくかということについて考えてみましょう。広告制作会社のブラック企業疑惑について調査した記事もぜひチェックしてみてくださいね。


大手を中心に多くの広告制作会社は社内には制作機能を持っていません。広告代理店からプロデューサーが案件の制作を受注し、制作会社は制作に必要なスタッフを協力会社から集めて中心で進行する役割を担います。実際にライト・カメラ・音声・編集・CGなどは社外の協力会社に発注します。その結果、Webコンテンツなど低予算の制作では協力会社での発注が難しく対応ができていません。
現状の大手制作会社はプロデューサー・営業としてのノウハウは残っても実際の技術に関するノウハウは残りづらい構造をしています。

広告制作業界が抱える課題について解説しました。入社後には皆さんの課題として直面する可能性のあるものです。就活を進めている段階から課題を認識し、自分なりに考えてみましょう!
CM Proでは他にも広告制作会社を志望する就活生の方に向けたコンテンツを掲載しています!ぜひ他のコンテンツと合わせてさらに業界理解・企業研究を勧めてくださいね!